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アスベストの分析・調査(室内空気中のアスベスト調査

室内空気中のアスベスト調査

私達が暮らす住空間にアスベストが飛散しているとしたら、誰もが安心して暮らしていけないだろう。そこで、現在の状態を調べる必要が出てくる。そのような測定のための決められた測定方法(調査方法)が無いのが現状である。

ただし、公定方法が無いということであり、測定する方法は各種の方法がある。

環境大気の濃度を測定する方法は、「石綿に係る特定粉じんの濃度の測定法」(平成元年環告第93号)「アスベストモニタリングマニュアル(改訂版)」(平成5年環境庁)などがあり、室内のアスベスト濃度を測定する方法としては、「作業環境測定方法」(アスベストを取り扱う工場の作業場所での測定方法)などがある。また、(社)日本石綿協会、(社)日本作業環境測定協会などから、室内のアスベスト濃度測定方法を記載した書籍等が出ており、それらに基づいて測定することもあるだろう。

これら多くの空気中のアスベスト分析方法は、繊維状の物質を測定することでアスベスト濃度を測定しており、誤解を恐れずに言えば、分析機関から出される調査報告書はアスベスト濃度を測ってはいないということになる。

このようなことから、現在国で審議されている空気中のアスベスト濃度測定方法が出ると、多くの場所では「アスベストは飛散していない」という結果が出るかもしれない。

しかし、アスベストを含む建材からアスベストが飛散する可能性があることは確かであり、現状で飛散していないのであれば、それに安心するのではなく、今後も飛散させない対策を立てる必要性があり、自分達の子供のためにもアスベストを根絶させるまでしっかりと国の施策を見守る必要がある。

位相差顕微鏡(分散染色法)を用いたアスベスト繊維の計数

建材製品中のアスベスト含有率測定方法(JIS A1481)では、アスベストの定性分析を行うよう規定されており、その方法はX線解析装置っを用いた「X線回折分析方法」および顕微鏡を用いた「分散染色分析方法」で、それぞれアスベスト含有を確認することとなっている。

二通りの異なった分析方法のうち、この分析方法の特色ともいえる「分散染色分析方法」のイメージを想像していただきたい。

使用する機器は、400倍に拡大できる分散染色法専用顕微鏡。
分析対象の建材等を粉砕したものを、顕微鏡で観察できるように標本にする。
このとき3通りの異なった処理をした標本をそれぞれ3枚、1試料につき合計で9枚の標本を作製する。
そして、その全てを観察しアスベスト繊維があるか確認する。

突然だが、相撲の土俵の大きさをイメージしていただきたい。
その土俵の上に、女子社員がバックの片隅に忍ばせている裁縫道具の中の縫い針を数本落としたとしよう。
もちろん、落とした場所は土俵上とまでは分かっているがどのあたりに落としたのかは分からない。
その落とした針を数える操作が計数(アスベスト繊維を1本づつ数える操作)と呼ばれる。

顕微鏡を使って観察する様子を、先の土俵上に落とした針に例えると、「土俵にコップをふせて、その中に落とした針があるか調べる」イメージとなる。
その時に、伏せたコップの中に見える砂の粒を数え、同時に針の数を数える。
その操作を、伏せる場所を変えながら、1000個の砂の粒を数え終わるまで繰り返し、数え終わった時にそれまでに何本の針があったか数えた結果を記録する。

この操作を9標本全てについて行う。
その結果を3通りの異なる処理ごとにまとめ、合計でそれぞれ3000粒子中に4本以上のアスベスト繊維があった場合、「アスベストを含有している」と判定される。

報告書上では、「クリソタイル 3000粒子中に4本以上認められた。(または、認められなかった。)」
          「アモサイト 3000粒子中に4本以上認められた。(または、認められなかった。)」
          「クロシドライト 3000粒子中に4本以上認められた。(または、認められなかった。)」
総合判定では、「アスベスト含有あり。(またはアスベスト含有無し)」となる(表現は分析する各社で微妙に異なるかもしれない)。

*注 イメージはあくまで顕微鏡でのアスベスト繊維観察を説明するために用いた表現であり、その大きさ等は実際の縮尺と同じではない。
クリソタイル繊維の太さは、繊維1本の太さが一説には0.02ミクロン程度といわれている。これは髪の毛の5000分の1程度の太さである。
そのため、顕微鏡での観察は訓練を積んだ技術者が行う。

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